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Referenzen「一匹の」と言うよりは「一頭」のと言った方がいいような 大きな亀が 果てしない海原を泳いでいる。 この時期,生殖のために他の亀たちは東に向かって泳いでいるはずなのに、 その亀はただひたすらに南に向かって進んだ。 休憩のつもりなのか 時折波にその身を委ね,ゆらゆらと海面で過ごした後, 左右に首を振り,再び何時間も南下を続けた。 その単純な行動は何日も何日も続き,産卵を終えた亀達が 新しい周期を 始めるために生活の場所に戻る頃のある日終わりを迎えた。 直進を止めた亀はその地点でゆっくりと何度か輪を描くように泳いだ後, 甲羅に隠れた首を大きく伸ばしきり,胸いっぱいに息を吸い込んで頭を下げ, そのまま傾斜をつけて沈んでいった。
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